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スポーツ医科学レポート

岐阜県国体強化指定選手(高校生)の
生育歴・競技歴に関する調査結果(最終回)
渡邊 義行(岐阜大学)
小倉 新司(岐阜県スポーツ事業団   
スポーツ科学トレーニングセンター)

岐阜県国体強化指定選手(高校生)の生育歴・競技歴に関する調査結果を簡単にまとめ、過去3回にわたって報告してきましたが、今回の報告で最終回となります。
 
1.練習やトレーニングをする上での障害
  「今までに、スポーツの練習やトレーニングを行なってきて何か障害になるようなことはありましたか?」という問いにたいする答えは、図1に示しました。男子は約40%が、女子は約50%が障害があったと答えています。最も多く訴えた障害は、「勉強との両立」で、男女とも約33%もいました。この訴えは、高校生としてごく当然の訴えだと言えましょう。勉学を放棄しては高校生とはいえません。練習の合間の短い時間に集中して勉強する方が、かえって勉強が身につくものです。スポーツで行なっている集中の仕方で、勉強にも集中することが大切なのです。スポーツも何もしないでダラダラと時間をむだに費やしては勉強が身につくわけがありません。女子の13%が「人間関係」に苦労しているようです。女性特有の繊細さによるものでしょうか。スポーツとプライベートを区別し、スポーツという土俵を大切にすることによって、「人間関係」はやがて開けてくるものと思われます。
 男子の約60%が、女子の約50%が「障害となるようなことはなかった」と答えています。スポーツマンは「失敗を恐れず」、「失敗を引きずらず」、「失敗を肥やしにして」、前向きに取り組んでいくものです。
2.現在の競技成績のための要因
  「岐阜県国体強化指定選手に選ばれた高い競技成績が得られた要因はなんでしょうか?」という問いにたいし、図2に示したように、男子は67%が、女子は60%が「後天的な努力」と答えています。このように国体強化指定選手の2/3が「毎日々々の練習が今日の栄誉を得ている」としています。「練習・努力」の大切さを訴えています。「先天的遺伝的素質と後天的な努力の両者」と答えた人は、男子18%、女子38%でした。とくに女子に「素質と努力」と答えた人が多くいます。スポーツタレントの研究は始まったばかりです。やがてスポーツタレントの発掘方法が見い出される時がくるかも知れません。しかし、「人のもつ可能性」はわからない方がかえって幸せなのかも知れません。「未知の可能性」と「自分の限界」に向かって挑戦している姿は大変に美しいものです。
3.現在の競技成績が得られた要因の順位
   図3は、「現在の競技成績が得られた5つの要因『意欲の持続』『技術』『体力』『体格』『練習計画(トレーニング)の合理化』に順位」をつけてもらった結果を示したものです。図3に示されたように、『意欲の持続』が最も大切な要因として挙げられました(男子35%、女子41%)。『体力』を第1位と考えている選手(男子25%、女子30%)もいました。このように男子の60%、女子の70%が『意欲の持続』と『体力』の要因が大切と考えていました。
 『技術』は第2位の要因とする選手(男子27%、女子40%)が多くいました。『練習(トレーニング)計画の合理化』や『体格』は第4、5位の要因として考えられています。以上のことから、『意欲の持続』『技術』『体力』の3つが競技成績を上げる要因として強調されます。現役の選手ならびにこれから練習を始めようとしている選手にとって、この結果は大変参考になる要因だと考えられます。
4.現在の競技技術までに進歩した理由
  現在の技術までに進歩した理由」については、表1に示しました。この表から読み取れることは、「日々の練習・努力・頑張り」と「良い指導者に恵まれた」の2要素につきるといえます。そして、「良き指導者のもとでの繰り返しの練習」をするための加速剤として「目的をもってやる気を出すとともに練習の面白さを感じ」「他の選手と競い合い」「他の選手の技術を盗む」ことが大切であると指摘できます。
おわりに
   スポーツ医科学レポートNo2(1996年3月)発行以来約2年、計4回にわたって岐阜県国体強化指定選手(高校生)の生育歴・競技歴に関する調査結果を報告してきました。この調査は、今から8年前の1990年に行なわれたものですが、その結果は今日でも大変参考になる方向や示唆に富むものでした。調査に協力してくださった当時高校生の選手の方々ならびに協会関係者に厚く御礼申し上げます。最後に、本調査結果が岐阜県スポーツの振興に寄与できますことを祈念しておわりとします。

表1.現在の競技技術までに進歩した理由
理  由 男子 女子
日々練習をして頑張ったから 16.7 35.5
良い指導者に恵まれたから 15.7 12.9
目的をもってやる気を出したから  9.8  9.7
体格・体力が向上したから  8.8 11.3
試合を数多くやりだしたから  6.7  1.6
トレーニングの仕方がわかったから  4.9  
練習相手に恵まれ競い合えたから  4.9  
その種目が面白く好きになったから  2.0  1.6
試合で優れた成績が得られたから  2.0  8.1
他選手のいいプレーを見たから  1.0  3.2
悔しい思いをしたから  1.0  
自信がついたから  1.0  
運が良かったから  1.0  
コツを覚えたから  1.0  
無答(含、わからない) 17.6 25.8

図1.今まで、練習(トレーニング)を行なってきて、
   何か障害になるようなことはあったか?          男子: 女子:




った
勉学との両立  32.7%
 33.3%
家庭の理解  0.9%
 0.0%
経済的条件  1.9%
 0.0%
人間関係  0.9%
 13.0%
その他  2.8%
 1.4%
障害はなかった  59.8%
 52.2%

図2.現在の競技成績が得られた要因は?           男子: 女子:
先天的
遺伝的素質
 7.5%
 1.5%
後天的な努力  67.3%
 60.0%
両者  18.7%
 38.5%

図3.現在の競技成績が得られた5要因の順位         男子: 女子:
【第1位の要因】
意欲の持続  35.3%
 41.9%
技術  15.7%
 17.8%
体力  25.5%
 30.6%
体格  15.7%
 3.2%
練習(トレーニング)
計画の合理化
 7.8%
 6.7%
【第2位の要因】
意欲の持続  15.7%
 25.8%
技術  27.4%
 40.3%
体力  30.4%
 16.1%
体格  15.7%
 6.5%
練習(トレーニング)
計画の合理化
 10.8%
 11.3%
【第3位の要因】
意欲の持続  24.5%
 22.6%
技術  28.4%
 22.6%
体力  29.4%
 30.6%
体格  7.9%
 4.8%
練習(トレーニング)
計画の合理化
 9.8%
 10.4%
【第4位の要因】
意欲の持続  14.7%
 8.1%
技術  20.6%
 12.9%
体力  12.7%
 19.4%
体格  22.7%
 19.4%
練習(トレーニング)
計画の合理化
 29.4%
 43.5%
【第5位の要因】
意欲の持続  8.8%
 3.2%
技術  8.8%
 8.1%
体力  2.0%
 3.2%
体格  39.2%
 66.1%
練習(トレーニング)
計画の合理化
 41.2%
 19.4%

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