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スポーツ医科学レポート  NO.14-5
5.競技力を支える栄養"筋肉づくり"
井上 希美
(岐阜県スポーツ科学トレーニングセンター)

 「筋肉づくりには、タンパク質が必要である」ということは、よく知られています。そのため、筋肉づくりを目的としてタンパク質のサプリメント(プロテインなど)を利用している選手もいます。しかし、筋肉づくりとタンパク質の関係について知識が不足しているため、安易に利用している選手が多いように感じます。そこで今回は、筋肉づくりと栄養の関係について述べたいと思います。

■ 筋肉づくりには、タンパク質をたくさんとった方がよいのでしょうか?
 タンパク質は、体に入れれば入れただけ筋肉に変わってくれるのでしょうか?
 答えは、「No」です。
 タンパク質は、体の構成材料になるほか、エネルギー源として使われます。余分なタンパク質は、脂肪として体に蓄えられることになります。タンパク質は腎臓で処理されるため、体内に入ってくるタンパク質が多くなればなるほど腎臓はたくさん働かなくてはならなくなり、その分負担が増えます。必要以上にタンパク質をとるということは、体にとってプラスとはいえないのです。
 大切なことは、自分に必要な量を知ることです。これが、筋肉づくりには近道です。

■ タンパク質は、どれくらいとればよいのでしょうか?
 タンパク質摂取の基本は、食事です。食事だけで必要なタンパク質量を確保できない場合などは、サプリメントを利用するとよいでしょう。
 一日に必要なタンパク質量は、競技選手なら体重1kgあたり1.5〜2.0gが目安量といわれています。例えば、体重60kgの選手でしたら100g前後ということになります。
 以下の表は、一日でタンパク質100gをとる場合の食品例です。これらを一日の食事(3食)に分配します。一食分の献立例をあげてみましたので、参考にしてください。

    

食品例(目安量)

タンパク質量

鶏むね肉(皮なし100g)

23 g

もめん豆腐(1/2丁)

10 g

あじ(1尾)

18 g

(1個)

g

牛乳(200ml) 6g
200ml × 3

18 g

ごはん1杯(300g)8g
3杯

24 g

合 計

99 g

■ 練習直後の最適な補食は、何でしょう?
 練習直後は、炭水化物を多く含む食品、おにぎりなどがおススメです。
 筋肉づくりを目的とした場合、練習直後にプロテインなどを利用することも一つの方法です。しかし、身体活動のエネルギー源である炭水化物が減ってくると、筋肉中のタンパク質を分解してエネルギーに変えてしまいます。筋肉を減らさないためにも、筋肉づくりには十分な炭水化物をとることが必要になります。

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