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スポーツ医科学レポートNO.11


6.強くなる時(陸上競技中長距離)


狩野 靖
(スポーツ医科学委員 武儀高等学校教諭)

 近年の全国高校総体において、男子1500m・5000m・3000m障害は外国人留学生が優勝をしています。(今年は、男子の800mを含めた全中長種目と女子の全中長種目を外国人が完全制覇でした) 外国人留学生は、日本人選手と人種・生活環境等からの身体能力の違いが大きく、さらに日本のトレーニング(医科学的)により力をつけているようです。 これは大学生選手(インカレ・駅伝等)や実業団選手(日本選手権・実業団駅伝等)においてもいえることです。 今の現状から私自身、日本の競技レベルをアップさせるためによい方法はないのか?という疑問も感じます。 特にインターハイにおいては検討する時期にきているのではないかと思います。 外国人選手と競技をして国際感覚や強さを身につけるのはサーキットレースや他の大会でもできると思います。 インターハイで勝ち日本一になることは別の意味で外国人選手なしにしても十分価値のあるものだと思うからです。 ただ、この2年間春季ジュニア高校全国合宿に指導者として参加し、選手の中には外国人選手に勝つという事を目標にしている選手もいて頼もしく感じました。 指導者が外国人選手には勝てないと感じていては勝てるはずがありません。 日本人選手の可能性を信じ更に努力していく必要があると強く感じたのも事実です。
 さて、私の選手時代と現指導者としての経験から強くなった時の要因等を考察したいと思います。 まず自分の競技成績を下記の表にまとめました。
 中学と高校1年まではたいした選手ではなかったのに、その後強くなった時を大まかに3つ上げたいと思います。
 まず1つは、高1から高2への冬季トレーニング(基礎体力・筋力の向上)によって競技力もアップしました。[成長期]これは誰でもがある程度経験されることだと思います。
 2つ目は大学3年の秋で、春まではあまり走れなかったのですが夏合宿で今まで走ったことのない距離(30km)を走り、ATや最大酸素摂取量が増大し1500mが走れるようになりました。 そしてフォームも上下動が少なく滑らかになりました。[トレーニングの変化・自分の壁を越える練習]
 そして最後は教員2年目で、大学やゴールドウィン時代に比べ練習量は1/2以下になってしまいましたが、練習の質と年齢(肉体・細胞)を考えた上での刺激と休養のバランスがうまくいき自分の身体がようやくわかるようになったからです。[心身の充実]
 以上のように[成長期][トレーニングの変化・自分の壁を越える練習][自己の心身の充実]が強くなった時に関係していると思います。
 最近思うことは、1つの練習を数人の選手が行った場合、それぞれの選手の受けるトレーニング効果は違ってきます。 同じ練習をやっても同じように強くなりません。 一番大きいのは心の持ちようだとつくづく思います。 どう理解し、どういう意識で取り組めるのか、その時の心はどうであったかということです。 最後に、私が高校時代に恩師より指導していただいた中で「心がもう駄目だと思っても身体はまだ動く」というのがあります。 人間は弱い者なので先に心がブレーキをかけるもの、そのブレーキをかけてからが練習(耐乳酸性・酸素負債)だということです。 今後は更に指導者として勉強し、日本一が育てられるように努力していきたいと思います。
年 代 所 属 競技成績等 備 考
中学時代 白鳥中 800m県6位 2'09"
高校1年 郡上高 準決勝まで 2'02"0
   2年 800m全国IH3位 国体優勝 ジュニア優勝 1'53"4
   3年 800m全国IH優勝 国体3位 1'51"4 3'57"7
大学1年 中京大 800m全日本IC5位 ジュニア遠征(欧州) 1'50"6
   2年 800m全日本IC5位
   3年 800m・1500m全日本IC優勝 国体優勝 1'49"66 3'46"7
   4年 800m日本選手権3位 ユニバ出場
社会人 ゴールドウィン 800m日本選手権優勝 国体優勝 1'49"47(3年間)
教 員 大垣養護 800m国体2位(自己新) 1'48"97(25歳)
教 員 郡上高 800m日本選手権日本人1位 アジア大会4位 1'48"82(26歳)

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